【図表】Google Cloud(GCP) の料金改訂まとめ 2022年10月施行

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こんにちは、クラウドエース編集部です。

2022 年 3 月 14 日(現地時間)に発表された Google Cloud(GCP)の料金改訂について、公式発表を元に作成した図表を公開、料金改訂についてご説明していきます。
多くのメディアで ”値上げ” と報道されていますが、合わせて Google Cloud は ”値下げ” の発表も行っておりそちらも合わせて筆者の見解を述べさせていただきたいと思います。

※ 現行のストレージ料金についてはこちらから確認が可能です。
※ 改訂料金の適用は 2022 年 10 月 1 日からの予定となっています。
※ Google によると、既に変動型や固定型の割引が適用された契約をしているお客様は、契約が更新されるまでは、今回の価格改定の対象外となります。

よろしければこちらも合わせてお読みください
【2022年】GCP(Google Cloud)の利用料金を教えてください

Cloud Storage

今回最も大幅な改訂となったのがストレージの料金になります。
GCP のストレージサービス(GCS) の料金形態は「データ容量」、「オペレーション料金」、「ネットワーク使用量」で構成されています。

データ容量に関する料金改訂まとめ

GCS は、データの保存期間に応じて、『Standard』『Nearline』『Coldline』『Archive』の 4 つのクラスを保存先として選択できます。
また、保存場所は「マルチリージョン」「デュアルリージョン」「単一リージョン」の中から選ぶことができます。

その中で今回主に値上げの対象となったのは「マルチリージョン」や「デュアルリージョン」での、アクセス頻度の低いデータの保存先『Nearline』や『Coldline』で、逆に『Archive』の料金は値下げの対象となっています。

保存データ容量に占める割合の多くは『Standard』であるという方が多いかと思いますが、こちらはデュアルリージョンで保存される場合を除いて価格据え置きとなっております。

GCS のコストのほとんどはデータ容量によって決まりますので、マルチ・デュアルリージョンで『Nearline』や『Coldline』を保存している場合は見直しが必要になるかもしれません。

こちらに関して Google Cloud では、GCS 内のストレージ転送サービスを 4 月 2 日から年末まで無料で利用できる措置を取っているので適切なロケーションの選択の際に活用いただければと思います。

オペレーション料金に関する料金改訂まとめ

GCS には「クラス A(ストレージ バケットとオブジェクトの作成)」と「クラス B(ストレージ オブジェクトの取得)」という 2 つの有料オペレーションのカテゴリがあります。
今回の改訂でクラス A については『Standard』も含めて全体的に値上がりとなりました。
クラスBについては『Coldline』を単一リージョンで保存している場合のみ値上がりの対象となりました。

価格の上昇率を見るとインパクトがありますが、GCS の費用全体に占めるオペレーション料金の割合は低いのでコスト戦略に大きな影響を与えるケースは少ないと思われます。(通常 0.1 %〜 3 % 程度)

Cloud Storage に関するその他の料金改訂まとめ

ネットワーク使用量やデータレプリケーションに関する料金も一部改定となっておりますので詳細は図表にてご確認いただければと思います。

また、GCS の毎月の無料枠(Always Free)についてはネットワーク使用量の上限が 1 GB から 100 GB へと大幅に増えており、一概に今回のストレージ料金を“値上げ”と断定はできないと言えます。

Cloud Storage
Category 課金対象 変更前 変更後 値上げ/
値下げ
備考
Always Free Always Free Egressの容量 1GB 100GB 値下げ GCS からの Egres sについて、Always Free 容量が100倍に。
データ容量 Nealine – マルチリージョン(全)ストレージデータ容量 $0.01 per GB $0.015 per GB 値上げ 50%の値上げ。
データ容量 Coldline – マルチリージョン(Asia)ストレージデータ容量 $0.007 per GB $0.00875 per GB 値上げ 25%の値上げ。
データ容量 Archive – マルチリージョン(US/EU)ストレージデータ容量 $0.004 per GB $0.0024 per GB 値下げ 40%の値下げ。
データ容量 Archive – マルチリージョン(Asia)ストレージデータ容量 $0.004 per GB $0.003 per GB 値下げ 25%の値下げ。
データ容量 Standard – デュアルリージョン(nam4/eur4)ストレージ容量 $0.036 per GB $0.044 per GB 値上げ 22%の値上げ。
データ容量 Standard – デュアルリージョン(nam4/eur4)ストレージ容量 $0.046 per GB $0.0506 per GB 値上げ 11%の値上げ。
データ容量 Nearline – デュアルリージョン(nam4/eur4)ストレージ容量 $0.02 per GB $0.022 per GB 値上げ 10%の値上げ。
データ容量 Nearline – デュアルリージョン(asia1)ストレージ容量 $0.032 per GB $0.035 per GB 値上げ 10%の値上げ。
データ容量 Coldline – デュアルリージョン(nam4/eur4)ストレージ容量 $0.009 per GB $0.0088 per GB 値下げ 若干の値下げ。
データ容量 Coldline – デュアルリージョン(asia1)ストレージ容量 $0.012 per GB $0.0132 per GB 値上げ 10%の値上げ。
データ容量 Archive – デュアルリージョン(nam4/eur4)ストレージ容量 $0.0050 per GB $0.0028 per GB 値下げ 40%の値下げ。
データ容量 Archive – デュアルリージョン(asia1)ストレージ容量 $0.0065 per GB $0.0056 per GB 値下げ 14%の値下げ。
オペレーション Coldline – Class B Operation – 単一リージョン $0.05 per 10000 operations $0.10 per 10000 operations 値上げ 100%の値上げ。
オペレーション Coldline – Class A Operation – 単一リージョン $0.1 per 10000 operations $0.2 per 10000 operations 値上げ 100%の値上げ。
オペレーション Coldline – Class A Operation – マルチリージョン $0.1 per 10000 operations $0.4 per 10000 operations 値上げ 300%の値上げ。
オペレーション Nearline/Standard/Archive – Class A $0.05 per 10000 operations $0.10 per 10000 operations 値上げ 100%の値上げ。
データレプリケーション US/NAM4/EU/EUR4 に対するレプリケーション $0.00 per GB $0.02 per GB 値上げ 有料化
データレプリケーション ASIA/ASIA1に対するレプリケーション $0.00 per GB $0.08 per GB 値上げ 有料化
Network Egress マルチリージョンストレージにあるデータを、同じ地域(大陸)にある単一リージョンで動作するCloud Serviceから読み取る行為 無料 関連するロケーションベースでの固定料金 値上げ 有料化。
Network Egress あるロケーションにあるGCS から Google Cloud関連サービスへの下り通信 AUSTRALIAから別リージョン
$0.08/GB~$0.12/GB
AUSTRALIA内
$0.15/GB~$0.19/GB
関連するロケーションベースでの固定料金 値下げ 利用量に応じた値下げを撤廃。
通信元と通信先のロケーションに応じた固定料金に移行。

その他の料金改訂について

その他、今回料金改訂の対象となったのが下記プロダクト及びカテゴリになります。
・Cloud Load Balancing のネットワーク料金
・ネットワークトポロジ
・パーシステントディスクのスナップショット料金

Cloud Load Balancing についてはこれまで外部からのトラフィックのみの課金でしたが、新たに外部へのトラフィックについても有料化となりました。

モニタリングサービス「Network Intelligence Center」のうち、ネットワークトポロジとパフォーマンスダッシュボードの料金も今回の改訂で有料化となりました。
インスタンスリソースの時間単位で 0.0011 ドル(約 0.13 円)の料金が発生しますので、100 個の VM インスタンスを 1 ヶ月間(730時間)実行した場合は 0.0011 x 100 x  730 = $80.30 となります。

パーシステントディスクのスナップショット料金についても全体的な値上げや、課金の最低単位が 1 分から 1 時間に引き上げられるなどの改訂となりましたが、同時により低コストで使えるアーカイブスナップショットのリリースを Google は計画しており、ユースケースによっては従来よりも安価な運用が可能になるとしています。

Google Cloud Load Balancing
Category 課金対象 変更前 変更後 値上げ/
値下げ
備考
Network Egress Processing ネットワークエグレスの処理料金 無料 $0.008 ~ 0.012ドル per GB 値上げ これまで GCLB の Egress については、Egressのデータ量料金がいわゆる通常の VPC Egress と同じものとして課金されていたが、それに加えて GCLB Egress Processing として料金がかかるようになった。
Google Cloud VPC からインターネットへの Egress はだいたい $0.1 per GB なので、10%ぐらいの値上げだと捉えることができる。
Network Intelligence Center
Category 課金対象 変更前 変更後 値上げ/
値下げ
備考
Network Topology/Perfomance Dashboard 利用料金 無料 $0.0011 per resource-hour 値上げ 有料化。
Persistent Disk
Category 課金対象 変更前 変更後 値上げ/
値下げ
備考
Snapshot Standard – Regional – Snapshot 容量 $0.026 per GB $0.05 per GB 値上げ 100%の値上げ。
Snapshot Standard – MultiRegional – Snapshot 容量 $0.026 per GB $0.065 per GB 値上げ 150%の値上げ。
Snapshot Standard – Snapshot – 課金の最低単位 1minute 1hour Snapshot料金の集計単位が 1 分単位から 1 時間単位になった。
Snapshot Archive – Regional – Snapshot 容量 機能なし $0.019 per GB 新登場 新機能としてArchive Snapshot機能が追加になる。
Arvhive Snapshot 機能の料金は、使用するストレージ量に応じた月額料金と、Archive Snapshot のデータにアクセスするたびに発生するオンデマンド料金。
Snapshot Archive – Regional – Snapshot の利用 機能なし $0.019 per GB 新登場 同上
Snapshot Archive – MultiRegional – Snapshot 容量 機能なし $0.024 per GB 新登場 同上
Snapshot Archive – MultiRegional – Snapshot の利用 機能なし $0.024 per GB 新登場 同上
Snapshot Archive – Snapshot – 課金の最低単位 機能なし 90days 新登場 同上
Snapshot Network Egress マルチリージョンストレージにあるスナップショットを、マルチリージョンに含まれる地域(大陸)からディスク復旧する操作 無料 同一大陸間の別リージョンへのデータ読み取りと同様の料金 新登場 有料化

所感

今回の料金改訂について、多くのユーザーが影響を受けることになるかと思いますが、あくまでも一部のサービスにおける改訂ですので、全体のコストへの影響は大きいとは言えず、ほとんど影響を受けないというユーザーや、逆にコストが下がるユースケースも多いと思われます。
もし今回のニュースを見てご不安に思われた方や Google Cloud の導入を躊躇ってしまった方などがいらっしゃいましたらぜひ一度弊社までご相談いただければと思います。

お問い合わせはこちらから
またこちらの料金計算ツールにてご自身でご確認いただくことも可能です。

※Google 及び Google Cloud は、Google LLC の商標です。

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