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Bitkey × クラウドエース GenAI ハッカソン
こんにちは、クラウドエース ブランディング室です。
本記事では、2023 年 11 月に開催されたハッカソンをレポートします。
今回のハッカソンは、株式会社ビットキー様とクラウドエースのエンジニア同士のコラボレーションによって実現しました。
ビットキー様から 10 名、クラウドエース から 5 人のエンジニアが参加し、会場の Google 渋谷オフィスにて熱い議論を繰り広げました。
目次
コラボレーションのきっかけ
きっかけは、2023 年 9 月に行われた弊社主催のユーザー会※1。弊社 CTO 高野による「LLM の真価と LangChain を用いた発展的活用」セッションに関心を持っていただいたことから、生成AI ならではの新しい開発が議論に上がりました。
また、ビットキー様の中でも Google Cloud をより深く知っていきたい、 Google Cloud に強みを持つクラウドエースと、スタートアップであるビットキーのエンジニアが一緒に生成AI について学べると面白いのではないかと提案をいただき、ついにクラウドエース初のハッカソンが実現しました!
※1 クラウドエース ユーザー会の様子はこちら https://cloud-ace.jp/column/detail456/
ハッカソンの概要
今回のハッカソンのテーマは、「Google Cloud の生成AI」
ただし、ひとつの課題を全体のチームで取り組むのではなく、それぞれのチームで設定した課題を軸にテーマに取り組みます。
時間はおおよそ 4 時間。一体どのようなアイディアが生まれるのか期待が高まります。
Google Cloud からのセッション
ハッカソン開始の前に、Google Cloud 様より生成AI プロダクトの取り組みとユースケースを紹介いただきました。
ユースケースでは、PaLM 2 や Vertex AI search を利用したサポート業務の効率化、クリエイティブの作成、新商品コンセプトの開発など、ハッカソンの課題設定の手助けになりそうなアイディアも多数紹介いただきました。
ハッカソン午前の部スタート!
ビットキー様のエンジニアとクラウドエースのエンジニアでチームを組み、5 つのチームに分かれていよいよディスカッションがスタート。
自己紹介からすでに和やかな雰囲気で、さっそく様々な意見が飛び交います。
今回はアドバイザーとして、CTO 高野さんもディスカッションに参加しています。各チームのディスカッションに加わり、チームの設定したテーマや状況をヒアリングしていきます。チームからも積極的に高野さんに質問する場面が何度も見られ、時には高野さんから「(構成が)イケてないね!!(笑)」と、正直力で一刀両断されている場面も。
課題設定を入念にディスカッションをしているチームもあれば、開始 1 時間ほどですでにサンプルが出来上がりつつあるチームもあり、各々のやり方で自由に議論を進めていきます。
ハッカソン午後の部
あっという間に時間が過ぎてしまった午前の部。後半戦も各チームがさっそく作業に取りかかります。
各チーム開発の方向性も決まったようで、黙々と作業タイムに入り午前中と比べて静かになってきました。
高野さんが各チームの進捗を確認して回り、みなさんに話かけていきます。
Bitkey VPoE 佐藤様より残り 1 時間のアナウンスがされました。
みなさん手を動かすことに集中されていますね。動作するソフトウェアに一番説得力があるのは間違いないです。ただ、実際に社内外へ提案して人を巻き込む際には、プレゼンテーションなど伝える技術もエンジニアにとって重要です。発表練習やスライド作成への時間配分もよく考えて頑張りましょう!
既にプレゼン練習を開始したチームもちらほら出てきたようです。
さらに残り時間 30 分のアナウンスがされると、スライド作成やプレゼン練習をするチームが増えてきて賑やかになってきました。
各チーム、自分たちのプロジェクトやアイデアをユニークに紹介しています。他チームや審査員からのフィードバックや質疑応答が行われ、活気に溢れた雰囲気が漂っています。
懇親会
各チームの発表終了後は、Google 渋谷オフィスの社員食堂で懇親会が行われました。
各チームの結果発表!
優勝 チーム 5
特別賞 チーム 4
プレゼンテーション賞 前山さん
Bitkey 特別賞 水野さん
チーム5の開発概要
新しいプロジェクト / 部署に入ってわからないことだらけ、 過去議論されていた内容を忘れてしまった 、情報量が多く欲しい情報が選別できない / チャットにしか書いてない情報がある、、etc
これらのお悩みを Vertex AI Search を中核にした情報の集約と検索サポートで解決を目指します!
・特定の Slack チャンネルの情報集約
・任意のファイルのアップロードによる情報集約
・集約された情報に対する自由な検索
環境が違うユーザーごとに独立した環境を簡単に構築可能にします。
優勝チームインタビュー
(左から Bitkey 大高さん、クラウドエース 伊藤さん、Bitkey 白木さん)
Q.1 今日のハッカソンはどのように進行したのでしょうか。
(白木さん)事前に、参加者側はどのようなテーマに取り組みたいかについてアンケートがあったので、まずはチーム内でそれを共有しました。偶然にも伊藤さんと私のアイデアが似ていたため、その方向性で進むことに決まり、最初の 5 分ほどでプロジェクトの方向性が固まりました。私と大高君は普段から生成AI にあまり触れておらず詳しくなかったのですが、伊藤さんが提案してくれたアイデアにより、ビジョンを描くことができました。
Q.2 開発で苦労した点・工夫した点を教えてください。
(白木さん)いっぱいありましたね。初めて使用するツールだったのでセキュリティや認証に関する仕様の理解が不十分で、そこを突破することに苦労しました。また、時間の制約がある中では、何を諦めるか・どう諦めるかという取捨選択になってきますので、そのあたりはチームで話しながら、うまく工夫できたと思います。まぁ、時間があったらやりたいこと・できることがたくさんあるというのは、普段の開発とも同じですね(笑)
(伊藤さん)最初に、コアになる Vertex AI search の内容を整理してやらなければいけないことを洗い出しました。チームメンバーそれぞれで実装できた点は工夫の成果だと思います。
(大高さん)マルチタスクに生成AI の画面でやりたいことを走らせておいて、その間に他に調べられることをどんどん進めていたので、時間短縮は出来ていたと思います。ただ、もっと動くプロダクトや、ソースコードベースでデモできたらよかったなと思います。まだまだ表現したいこと、技術的なアイデアがたくさんあったので。
Q.3 優勝出来たと思うポイントを教えてください。
(白木さん)コンセプトがよかったのかなと思います。みんなが少しモヤっとしていることに関してちょっと可能性を感じさせるプレゼンが出来たところはよかったなと思います。審査員の方にも聞いてみないとわからないですが。
(伊藤さん)あと実現可能性が高そうなところもよかったのではと思いました。
(大高さん)そうですね。伊藤さんの作ったデモのおかげでより現実感を高められました。あとは自分たちが普段から使いたいな、欲しいなと思っているものを作ろうという想いも強く、それが伝わったのかなと思います!
Q.4 ハッカソンでの気づきや学びを教えてください。
(白木さん)僕はハッカソンが初めてで、どういうものをどう作り上げるのかという感覚があまりないなかで参加しました。みんながどうしたら感動するのかという要素に焦点を当て、それに時間を使い切ることが良い方法だと感じたのですが、実際にはそれが難しかったというのが今回の教訓です。
(大高さん)Vertex AI search を初めてメインで使って、これをきっかけに自分でも使ってみたいと強く思えたのは大きな気づきでした。
また、ハッカソンは限られた時間で何かを作らないといけないというエンジニアリング力が試される場なので、自分の力が足りないなと省みる機会にもなったので、今後も定期的に参加して気づきを得ていきたいと考えました。
(伊藤さん)コアの AI の部分は Vertex AI search がかなり強かったので、それを中心に作ってみたのですが、周りの技術も重要だったと思います。今回でいうとデータの取り扱い方や加工についてのエンジニアリング力も必要だったんじゃないかと思います。AI はGoogle Cloud に任せる一方で、他のエンジニアリング力にも力を入れる必要があると感じました。
最後に全体を通して一言お願いします!
(白木さん)すごく楽しかったです。ワイワイできるハッカソンでした。それぞれ持っているドメインを活かしてアイデアを出し合うことができました。
(伊藤さん)色んなバックグラウンド、スキルセットをもった人たちがこうして集まり、アイデアを出し合い、限られた時間でどこまでやり切れるかのプロセスに大きな価値を感じました。
(大高さん)シンプルにまたやりたいです!白木さんとは同じ会社ですが、普段一緒に仕事をする機会も少なく、プログラマーとしての姿をみられたのがとても貴重でした。また、伊藤さんのように外部のすごいエンジニアを間近でみられたのも刺激的でした。普段イベントなどで他社エンジニアのプレゼンを聞いてすごいなとも思うのですが、やはり綺麗に準備されたものなので具体的なものまでは見えないこともあるので、こうやって1から一緒に何かをすると改めて外部のすごい方の存在を知れるのでめちゃくちゃいい機会でした。
ハッカソンを終えて
株式会社ビットキー VPoE 佐藤正大様
審査基準やポイントを教えてください。
審査基準は以下の通りです。ハッカソンの冒頭で参加者の皆さんにご説明させていただきました。前半はスタートアップ創業者になったつもりでやってほしいという観点から、後半は他チームの参加者にも考え・学びを共有してほしいという観点から設定しました。
- 1. アイデアの有用性(ユーザーやマーケットへの価値を説明できているか?)
- 2. アイデアの斬新性(まだ世にない発想・少ない考え方を加えることができているか?)
- 3. テクノロジーの活用度(GenAIなどを使うからこそ実現できる内容であるか?)
- 4. デモの完成度(動作するプロダクト・プログラムが示す説得力がどれほどか?)
- 5. プレゼンの完成度(デモとプレゼンのシナジー効果があるか?)
実際に、高野さんと審査をさせていただきましたが、正直なところ、とても難しかったです(笑) ある観点だけ飛び抜けているチームもおりましたので。優勝チームは全観点でバランスよく高得点なチームとさせていただき、急遽で特別賞を作ったり、講評の際に理由を伝えたり、運営側でも工夫させていただきました。
全体を通しての感想を教えてください。
審査観点としてはお伝えした通りですが、なにより、エンジニア 1 人 1 人に楽しんでもらうこと、その上で何か新しい知識・経験を得てもらうことが主眼でした。この双方を満たしていたので非常によかったと思いますし、成功したと感じています。また、懇親会にて、一緒に企画させていただいたクラウドエースの皆様も同じ気持ちであると伺いましたので、その点も嬉しく感じています。
今日はご縁が繋がった非常に良い場だったなと思います。この企画のスタートはクラウドエースのユーザー会だったんです。クラウドエースの高野さんが Vertex AI search を今後より活用していく話をされていて、ビットキーの homehub というプロダクトでも、 AI を活用した機能を作ろうとしていたんです。そこから話が進み、もっと面白いことしたいねと今回のハッカソンが開催されました。このような会を開くことができて感謝しています。
総評
クラウドエース株式会社 CTO 高野遼
今回のハッカソンは、生成AI の活用を探る素晴らしい機会だったと思います。参加者が楽しみながら学び、新たなアイデアを生み出したことは非常に喜ばしいです。エンジニアの仕事は、テクノロジーへの期待と現実とのギャップを埋めることも含まれます。期待値が高い場合もあれば、低い場合もありますが、テクノロジーの真の力を評価し、ビジネスの期待を調整するこの機会は、日常業務に追われるエンジニアにとっても貴重な経験になったと信じています。
このように、お客様との協力を通じてエンジニアたちの交流が深まり、将来的には両社の発展に寄与することを期待しています。皆さん、お疲れさまでした。
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