パーソルキャリア株式会社
求人情報システムで Google Cloud のAPIを活用 求める求人情報をよりスムーズに検索するための支援機能を「 Natural Language API 」で実現。
パーソルキャリア株式会社様は、転職サービス「doda（デューダ）」などの求人コンテンツのサイトを多数運営する企業です。
その分野としては、求人関連全体を網羅しており、正社員領域・アルバイト・パート領域の求人メディアの運営、人材紹介サービス、 新卒採用支援、教育研修サービス、組織・人事コンサルティングサービスなど広範囲にわたっています。
この中で、日本最大級の求人・転職サイトの一つである「doda」において、複雑な求人情報からよりスムーズに求める情報にたどり着くための検索支援機能を Google Cloud のAPIサービスを活用して実現しています。
Google Cloud を選択した理由、APIサービス利用の利点など導入から構築にあたってのお話を、 転職メディア事業部 プロダクト開発統括部 サイトR&D部 エンジニアリンググループ の馬場 裕氏と呂 明峰氏に伺いました。
Google Cloud 導入目的と選定理由
求人情報は求人企業側の記述の仕方に幅があり、特にカテゴリ分けや業務の内容などをキーにして検索する場合、ある程度業界の知識がないと求める求人にたどり着くのが難しい状況でした。
他の業界からの転職を考えている方のために、より意図した結果が得られる仕組みが必要でした。
そこで、求人情報から特徴となるキーワードを抽出し検索用タグとしてdodaサイト内にレコメンドを提示することで、お客様の使い勝手を向上させることが考えられました。
開発速度の視点からOSS（オープンソース・ソフトウェア）や様々なAPIを調査した結果、精度向上の工数を考慮してAPIをベースに開発することが決定されました。その上で自然言語処理系のAPIを提供している複数のサービス中から精度が高く、継続的に利用可能なものとして Google Cloud を選定したそうです。
「OSSも試してみましたが、単なる単語としてしか認識されておらず、ちょっと厳しいと思いました。そこで、 Google Cloud で提供されている「 Google Natural Language API (※)」を試してみたところ、出てくる単語に意味がありこれなら使えるな、という手応えを感じました」と馬場氏は語ります。
※ 「 Google Natural Language API」は、テキストの構造と意味を解析する自然言語処理の機械学習モデルを、APIとして提供するサービスです。
Google Cloud 導入によるメリット
「 Natural Language API では、データの前処理を簡単に済ませることができて、短時間で利用可能です。
また、特徴を示す単語を抜き出す精度が高く、カテゴリのデータも付与され、返ってきたデータの加工も容易ですし、構文解析の結果が細かいのが良いですね」と呂氏は評価します。
特に構文解析の細かさは、将来の精度の向上を図るためのマージンとしても期待されていました。
「我々の部門は、新しいサービスを迅速に開発・リリースしていくミッションが与えられています。基幹業務のシステムでは大量の個人情報を取り扱うためクラウドやその周辺サービスを利用することにはやや慎重になる傾向がありますが、お客様の利便性の向上など個人情報を伴わないサービス系のシステムでは、アジャイル的な開発が有効で Google Cloud のようなクラウドサービスの活用は非常に適していると感じています」と馬場氏。
今後の Google Cloud・クラウドエースへの期待
現在、「doda」に掲載する企業からの求人原稿は複雑で、そのままデータとして活用するのは難しいとのことです。
今後は、 Natural Language API を利用してデータを抽出し社名や地名などのキーデータを使って辞書化することで、新しいサービスでの活用などを考えているそうです。
また、開発ではアプリケーション部分のテスト機能などを要望されています。
「やはり、Natural Language API のカスマイズ機能は、ぜひ欲しいですね。(※)また、Google のサービスなので当然グローバルに対応しているので今後、ロシア語やハングルなど多国語対応も可能だと思っています。そこに、業界用語などのカスタマイズができたらさらに有効なサービスができるのではと期待しています」と馬場氏は締めくくりました。
※ 2018年7月24日 独自のカスタムモデル構築を可能にするサービス「 Cloud AutoML Natural Language 」のβ版が公開されました。
この記事を共有する
