NFT や仮想通貨のニュースなどで耳にすることが増えている「 DAO 」という言葉。
「ブロックチェーンを使った、新しい組織の形」と説明されることも多いですが、いまいちピンときませんよね。
今回は、DAO とは何かということについて、従来の組織の代表的な形である「株式会社」と比較しながらわかりやすく説明していきます。
DAO のメリットやリスクについても詳しく解説しているので、DAO への参加を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
目次
DAO とは:中央集権的な管理者がいないコミュニティ
DAO とは「 Decentralized Autonomous Organization 」の略称であり、日本語では「分散型自律組織」と呼ばれています。
DAO の特徴を一言で表すと「中央集権的な管理者がいないコミュニティ」と言えます。
これまで、組織の運営にあたっては権力を持つリーダーが中央に置かれることが一般的でした。
社長の意思決定のもとに運営される株式会社などがその代表例ですね。
DAO では、そのようなリーダーを置かず、参加者全員が平等かつ自由な立場で組織運営することを目指します。
しかし DAO の運営方針についての議論は、誰でもアクセス可能な開かれた場所で行われます。
方針の決定は参加者全員の投票によって行われ、最終的な意思決定はブロックチェーン上に記録されます。
ブロックチェーン上の記録は書き換え不可能で、かつ全員に公開されているため、高い正当性・透明性を維持できるのです。
DAO はブロックチェーン上で形成される組織であるため、ハッキングのリスクが常にあります。
実際に、2016 年にはイーサリアムで構築されている「 The DAO 」という組織がハッキングに遭い、当時の価格で約 52 億円分もの仮想通貨が盗まれてしまいました。
同事件においては、ブロックチェーンの記録をハッキング前に戻すことで資産を取り戻していますが、このような犯罪は実際に起こり得るのです。