ブロックチェーン 企業・ビジネスモデルが5分でわかる

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こんにちは、クラウドエース編集部です。

近年、ニュースなどで耳にする機会の多くなった「ブロックチェーン」という言葉。ブロックチェーンを基盤事業とする企業が次々と立ち上げられたり、関連事業に参入する企業が増えていたりなど、大きな注目を集めています。

今回は、ブロックチェーンが大きなトレンドであると言える理由を解説した上で、「ブロックチェーン関連企業」と言われる会社が具体的にどのようなビジネスを展開しているのかについて紹介していきます。

ブロックチェーンは現代ビジネスの大きなトレンド

はじめに、ブロックチェーンがどれほど大きなトレンドとなっているのかについて、簡単に見てみましょう。ブロックチェーン業界が注目を集めていると言える理由としては、以下の 2 点が挙げられます。

  • スタートアップの参入・投資金額の増加
  • 政府による後押しがある

それぞれについて、詳しく見てみましょう。

スタートアップの参入・投資金額の増加

1 つ目は、スタートアップの参入・投資金額が増加していることです。国内・海外ともに、ブロックチェーンに関する企業の設立数や、その企業への投資金額が増加しています。

まずは日本国内について見てみましょう。マネックスクリプトバンクが発表した「Blockchain Data Book 2020」によると、日本を市場としてサービス提供している仮想通貨・ブロックチェーン関連企業は 2020 年時点で合計「430 社」に達することが明らかになっています。さらにその内訳を見てみると、スタートアップに分類される企業は「150 社」にも上っています。

世界のトレンドについても見てみましょう。フォースタートアップ株式会社は、2019 年に「海外スタートアップ資金調達額ランキング」というデータを発表しています。

同調査によると、2019 年 1 月〜 9 月において、世界で最も資金調達額が大きかった企業は、ブロックチェーンを活用して不動産トークン販売などを行うドイツの企業「Fundament Group」でした。さらに、1 位〜20 位までのランキングにおいて、イギリス  で住宅ローン P2P 貸付プラットフォームを展開する「LANDBAY(9 位)」や、香港を本拠地とする仮想通貨取引所の「Bitfinex(13 位)」、アメリカの物流テック開発を行う「Flexport(同率 13 位)」など、ブロックチェーンを活用した事業を展開する企業がいくつも見られています。

政府による後押しがある

2 つ目は、日本国内において、ブロックチェーン業界の成長に対する政府による後押しがあることです。2022 年、岸田政権は「新しい資本主義」の核として「Web3.0」「NFT」を掲げる考えを示しています。

Web3.0 とは、簡単に言うと「これまで情報を独占してきた GAFAM や巨大企業に対して、テクノロジーを活用して分散管理することで情報の主権を民主的なものにしよう」という概念のことです。この「分散管理」には、ユーザー同士がネットワーク上で互いのデータをチェックし合うブロックチェーンの活用が欠かせません。

NFT とは、鑑定書・所有証明書付きの改ざん・偽造ができないデジタルデータのことです。ブロックチェーンを用いて取引記録などを全て記録することで、デジタルデータに代替不可能性をもたらします。

これまで、日本国内の仮想通貨やブロックチェーン事業については、政府の過剰規制や他国と比べて不遇な税制度が適用されているという問題がありました。これにより、関連業界の優秀な人材や資金の流出が発生しているという現状があります。

このような課題を重く見た政府は、税制改正や法改正を行う方針を提言しました。また、NFT を漫画・アニメ、多様な知的財産を有するコンテンツを抱える日本の「クールジャパン戦略」としても活用していく考えを示しています。

ブロックチェーン関連企業の事業内容とは?

このように大きな注目を集めているブロックチェーン技術。それでは、この技術を使って具体的にどのようなビジネスが展開されているのでしょうか。

経済産業省が発表している、「我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備 (ブロックチェーン技術を利用したサービスに 関する国内外動向調査)」という資料によると、主にブロックチェーン技術の展開が有望な事業例としては以下の 5 つが挙げられています。

  • 価値の流通・ポイント化・プラットフォームのインフラ化
  • 権利証明行為の非中央集権化の実現
  • 遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現
  • オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現
  • プロセス・取引の全自動化・効率化の実現

具体的な事業内容について考えてみましょう。

「価値の流通」では仮想通貨の発行や、新たな形のファンビジネスの創出、「権利証明の非中央集権化」ではブロックチェーンでの ID 管理プラットフォームの開発が想定されます。

また、「遊休資産ゼロ」では医療や製造業における情報一元化プラットフォームや電子政府の実現、「高信頼なサプライチェーンの実現」では物流プラットフォームの開発、「取引の全自動化」では Web 投票や国際貿易の実現などが行われるでしょう。

このように、ブロックチェーンの持つ「高い改ざん耐性」「高い透明性・正当性」「情報の分散保存」などの特徴は、さまざまな事業に活用することができるのです。

ブロックチェーンビジネスを行う企業の紹介

ここからは、実際にブロックチェーンにまつわるビジネスを展開している企業や、その事業内容について見てみましょう。

株式会社 Gaudiy

株式会社 Gaudiy は、「エンタメ × ブロックチェーン」をテーマとして、ブロックチェーンを活用したサービスの開発・運用を行っている企業です。

「Community」「Blockchain」「Entertainment」の 3 つを軸として、IP コンテンツとファンを直接つなぐことで新たな楽しみ方を創出したり、音楽・ゲーム・マンガ・アニメ・スポーツなどの領域の DX 推進サポートをしたりしてます。

同社が提供する代表的なサービスとしては、「FPaaS(ファン体験構築プラットフォーム)」が挙げられます。これは、エンタメコンテンツ企業が直接、顧客との接点を持ち、プラットフォーマーに依存せずにサービスを提供することを目指すものです。

従来のエンタメ業界では、例えば一つのコンテンツが映画、漫画、グッズ、音楽など複数のプラットフォームで提供されている場合、各メディアでのファン体験が分断されているという課題がありました。

「FPaaS」では、これまで分断されていたファン体験を統合し、これまでにない体験の構築とビジネスエコシステムの創出や、クロスメディアなデータ連携を目指しています。

例えば 2020 年に開設された「約束のネバーランド」公式ファンコミュニティ「みんなのネバーランド」では、映画の半券で参加できるビンゴキャンペーンや、書籍のレシートで参加できるキャンペーンなどを実施し、アニメ・原作・ゲーム・リアルイベントと連動したファン体験を提供しています。

株式会社Ginco

株式会社 Ginco は、「ブロックチェーンの力で事業に成長と革新を」をテーマに、ブロックチェーンを活用した幅広い事業を展開している企業です。

中でも、ブロックチェーン親和性の高い以下の 4 つを重点事業領域として掲げています。

  • デジタルアセット
  • デジタル ID
  • サプライチェーン
  • 権利の証明と行使

「デジタルアセット」領域では、ブロックチェーンの持つ「データの複製・改ざん抑止」という特徴を活用しています。具体的には、仮想通貨ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」や、NFT サービス基盤「Ginco NFT BASE」などを提供しています。

「デジタル ID」領域で行っているのは、ブロックチェーンを活用したシステムの分散化・標準化です。システム提供者ではなく利用者本人が管理できるデジタル ID を提供することで、個人のプライバシーを守りながら、行政システムや民間サービスを横断的に利用できるようにしています。具体的には、同社が提供する「blockchainBASE」というアプリがID 管理や経歴証明に活用されています。

「サプライチェーン」領域においては、ブロックチェーンが持つトレーサビリティを活かし、過去に行われた取引履歴や流通経路、行動ログの透明性を向上させています。具体的には、証跡管理機能を持つ「blockchainBASE」が、在庫情報管理などに利用されているようです。

「権利の証明と行使」領域で行われているのは、スマートコントラクトによる契約処理・取引実務の効率化です。具体的には、「blockchainBASE」を用いた著作権管理基盤「HashTune」の開発などを行っています。

Block(アメリカ)

Block Inc は、アメリカ・カリフォルニア州を本拠地とする企業です。2021 年 12 月に旧社名「Square」から「Block」へと社名変更をしました。

ブロックチェーンを活用した金融サービスを中心に事業展開しています。代表的なサービスには、以下の 5 つが挙げられるでしょう。

  • Square
  • Cash App
  • Spiral
  • TIDAL
  • TBD54566975

「Square」では、小売業向けの決済端末の提供を通じて、販売者のビジネス運営・成長をサポートしています。「Cash App」は、誰でも現金を株式やビットコインに送金・使用・投資できるモバイル決済サービスです。「Spiral」は、ツールとしてのビットコインの使用を促進する無料のオープンソースプロジェクトです。「TIDAL」は音楽ストリーミングサービスで、NFT の活用も期待されています。「TBD54566975」は、特定機関を経由せずにビットコインにアクセスできるオープンな開発者プラットフォームです。

このように、金融分野を中心に、ブロックチェーンを活用したサービスを広く展開しています。なお、今後は暗号資産のハードウェアとしてのウォレットの開発も進めたり、ビットコインのマイニングサービスも検討してたりしているようです。

​​Figure(アメリカ)

Figure は、アメリカ・ニューヨークを拠点とする企業です。主にブロックチェーンを活用して、貸金事業やデジタル決済プラットフォーム、マーケットプレイスの提供を行っています。

中でもメイン事業として行っているのは、住宅担保ローンやその借り換え、学生・個人ローンの承認をはじめとする融資プロセスの自動化・効率化です。

これは、ブロックチェーンの「改ざん不可能」「スマートコントラクト」「正当性・透明性」といった特徴を活用したサービスです。ブロックチェーンを使用してローンに関するデータを記録することで、利用者や借入先、その他関係機関とシームレスに情報を共有、交換することが可能となります。

これにより、これまですべで手動で行われていた確認作業などの事務処理が大きく効率化されます。また、人の手による作業では避けられなかったミスも削減でき、ローン情報の正確な記録・保存にも繋がるでしょう。

まとめ

ここまで、ブロックチェーンに関する事業展開をしている企業や、そのビジネスモデルについて紹介してきました。この記事を参考に、新たな事業展開のヒントにしてみてください。

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